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アルタムーラというのは町の名前で、細長いプーリア州のちょうど真ん中くらいに位置します。 お隣の州の有名観光スポット「マテーラ」にも程近く、このあたり一帯はイタリアでも随一の優良な小麦の生産地です。そのため、日本でもよく見かけるパスタの会社「DIVELLA」社の工場もプーリアにあり、北で生産されているパスタも、このあたりの小麦を移入して生産されているそうです。 右上の写真は、マテーラに行く途中の電車FAL線の車内から撮影した風景。バーリ以南の、どこまでも続くオリーブ畑から一変して、どこまでも小麦畑の続く風景です。 さてさて、アルタムーラのパンですが、まず形が特徴的!横から見るとちょうどつばの広い帽子のような形をしています。重さは約一キロ。これで1.5€です。 わざわざアルタムーラまで行かなくても、他の町のパン屋さんにも「アルタムーラのパン」は売っていますが、この昔ながらの形・重さのものは他の町では見かけたことがありません。大きさも形もこのオリジナルとは違ったものです。 そして、次に特徴的なのが、生地の色。室内で撮影したこともあって、ちょっと濃くは写っていますが、本当に黄色いんです。 外の皮はかなり固くて、ローストしたコーヒーのように香ばしく、中の生地はもっちりした食感でとっても甘い!!日本のミルクパンのような甘ったるい味ではなく、これはもう小麦そのものの持つ味力(?)です。 アルタムーラではないのですが、そこから近い「Andria」という町のレストランでは、そこのパンを1.5cmくらいにスライスし炭火で軽くトーストして塩とオリーブオイルだけかけて食する、という付き出しが出てまいりました。あまりにもシンプルなそのお皿に、「よほどこのパンとオリーブオイルに自信があるのだろう、へ~」と思い、一口いただくと・・・。なるほど納得。オリーブオイルの濃さもさることながら、今まで味わったことのないパンの甘さに夫と二人「こりゃ~すごいね~」と感動したのでした。 写真は、買ってきたアルタムーラのパンで、それを我が家で再現してみた様子。これだけで、立派に、、、というよりもかなり贅沢なワインのお伴でございます。 私のお気に入りは、同じくプーリア名産のチーズ「カチョカバロ」とのコンビネーション。「カチョカバロ」は、牛乳製の半硬質タイプのチーズなのですが、あまり熟成させていないフレッシュタイプのものとアルタムーラのパンを一緒に口にすると、、、本当にコーヒーミルクのような味になるんです!!外皮の香ばしさとパンの持つ甘さ、カチョカバロのミルキーさが、この二つをコーヒーミルクの味に変身させてくれます。 「PREDISI」の解説によると、アルタムーラでパンが作られ始めたのはおよそ1700年代。大きな石釜と高い煙突がこの町のシンボルだったようです。石釜の大きさはというと、一回で300キロものパンが焼ける超特大サイズ。バスケットボール大のアルタムーラのパンが300個焼けるというのだから驚きです。 原材料はアルタムーラを含め、このあたりの5つの町村から採れた小麦のみを使用、他は水・塩・天然酵母のみ。 そして「PREDISI」の規定するもっとも重要な二大要素の一つ(もう一つは前述の小麦の生産地)というのが、石釜で焼く際に使用するたき木には「樫の木のみを用いる」ということ。これが、外皮の香ばしさの秘訣だったんですね~。 このアルタムーラという町、バーリからマテーラに電車で行く際には必ず通る町なんです。ただ、駅から町の中心までが約2キロとちょっと離れているのが難点なのですが・・・。パンを買いに前回訪問したのは車でだったのですが、デジカメのメモリーカードを忘れる、といった失態をやらかしてしまい、町の写真は取れませんでした。小麦畑しかないただの田舎町を想像していたのですが、この予想は大外れ。歴史的保存地区に入る場所には、時計の美しい大きな門もあり、13世紀に建てられたという大聖堂もあり、16世紀に整備された美しい石畳の道が続く、観光としても十分に見ごたえのある町だったのでした。 マテーラにお越しの計画がある方は、ちょっと時間に余裕を持って、「イタリアでいちばんおいしいパンの町」を訪問することをオススメします。。。
by cricri021219
| 2006-08-19 15:03
| プーリア 料理
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